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寸劇的日常

移転のお知らせ

寸劇的日常はアメブロに移転しました。
物語を楽しみにして下さった方々、今後はアメブロにて
どうぞよろしくお願いいたします。

http://ameblo.jp/ikedarego
# by clown-is | 2012-01-18 23:53 | 企画

No.16 【一ヶ月】

No.16
【タイトル】
一ヶ月

【キャッチコピー】
残り時間が微妙に長すぎる

【ストーリー】
世界は一ヶ月後に終わる。
全世界の全ての人間が同じタイミングで世界の終わりを自覚します。
4月6日11時19分25秒。
JR山の手線の電車の中に乗っていた、フレックス制の会社に通うサラリーマンの彼は隣の女子高生に腹を立てています。
携帯電話で話す声がうるさいからです。
その時、彼は思います。
「世界は一ヶ月後に終わる」と。
愚にもつかない妄想だとその考えを吹き飛ばそうとした時、女子高生が大声で電話の向こう側に向かってこう話します。
「今、私変なこと考えちゃった!世界って一ヶ月後に終わるんじゃね?」
その瞬間、彼女の大声に迷惑をしていた周りの人たちは彼を含めて皆、彼女のほうを見ます。自分の浮かんだ妄想と同じだったからです。
女子高生を囲む彼らは、その異質な空気に驚くものの、最終的には「ああ、世界は一ヶ月後にどうやら本当に終わるらしい」ということに納得します。
彼は電車を降ります。
会社のある駅でもないのに。

【補足】
人類全員は4月6日、たった一日の間に一ヶ月後の世界の終わりを確信します。
サラリーマンの彼がどこに向かうのか。
一ヶ月後の確実な終わりを知った彼はどこに向かうのか。
どんな方向にでも進める物語の雛形です。
# by clown-is | 2012-01-17 23:47 | 企画

No.15 【穴3】

No.15
【タイトル】
穴3

【キャッチコピー】
深淵は感染する

【ストーリー】
杉並区に住む女子高生のAの足の裏に小さな穴が空いていた。
1ミリくらいの小さな小さな穴。
棘でも刺さったのかなと彼女はそう思っていた。
11日後に彼女は消えてしまう。 
彼女を捜す家族も、次々と姿を消す。
彼女の高校の同級生も仲の良かった順から姿を消していく。
根暗な生物教師の彼は、穴の仕業ではないかと思い立つ。
休んでいる生徒の中でまだ話せる男子生徒の家に無理矢理押しかける。
案の定・・・生徒の足は消えていた。痛みもない。意識もはっきりしているのに消えていく足。男子生徒は完全に混乱している。彼は男子生徒の肩を揺すり、生徒を正気に戻そうとする。
次の日、彼の足の裏に1ミリの穴が生まれる。

【補足】
今度の穴は皮膚感染します。
1ミリの穴は、2ミリ、4ミリ、8ミリと大きくなっていきます。
だいたい12日で2048ミリとなり、人間一人は飲み込まれていきます。
思考活動は11日がリミットでしょう。
# by clown-is | 2012-01-16 23:00 | 企画

No.14 【穴2】

No.14
【タイトル】
穴2

【キャッチコピー】
深淵は増え続ける

【ストーリー】
杉並区のとある高等学校。
その通学路に突如、直径1センチの球体が空間に出現する。
根暗な生物教師である彼がそれに気付いたのは、自転車で思い切りそれに躓いたからだ。
空間に突如出現した穴。
真っ黒なビー玉が空中に浮かんでいる。
彼は嫌な予感がする。
また穴だ・・・
次の日、通学路の穴は同じ場所に同じ形であった。
全く大きくなっていなかった。
彼は胸をなで下ろしつつ、穴をなんとかする方法を考える。
しかし、今度の穴は別の形で拡がっていた。
彼の学校、唯一の安息の場、憩いの生物室。
骨格標本の手元に黒いビー玉のような穴が浮かんでいる。

【補足】
今度の穴は数が倍々で増えます。
1センチのビー玉的な穴が2個、4個、8個、16個・・・
このままでは彼の街は穴で占拠されてしまいます。
# by clown-is | 2012-01-15 23:10 | 企画

No.13 【穴】

No.13
【タイトル】


【キャッチコピー】
深淵は広がり続ける

【ストーリー】
杉並区のとある高等学校。
焼却炉の片隅の地面に小さな穴が空いていた。
ほぼ1センチの小さな小さな穴。
根暗な生物教師である彼がその穴に気付いたのは、焼却炉の近くで一円玉を落としたことが切っ掛けだった。
穴にすっぽりとはまった一円玉が取ろうと思えば取ろうと思うほど穴の中に押し込まれていったからだ。
彼はなんだかムキになってしまい。次の日、穴から一円玉を取り出す為のトリモチ的なものを持って焼却炉の隅に向かう。しかし、押し込まれたはずの一円玉はなかった。どうやら穴の奥に沈み込んでしまったようだ。
彼はバケツに水を汲んで、穴の中に水を注ぎ込む。
・・・どれだけ注ぎ込んでも穴は満たされることがなかった。
多分、地面に水が吸われてしまっているんだろうと彼は一円玉を諦める。
それから二日後。彼は500円玉を落とす。
同じ場所に空いた4センチくらいの穴の中に五百円玉はすっぽりと落ちてしまう。
「あれ?これ穴、大きくなってるよな・・・」

【補足】
穴は毎日倍々で大きくなっていきます。
1センチ、2センチ、4センチ、8センチ、16センチ・・・
最初の数日は同僚も笑い話で済ませますが、16センチあたりからだんだん冗談ではなくなっていきます。
# by clown-is | 2012-01-14 23:20 | 企画



Clown Crown代表の池田練悟(レゴ)のブログ

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